起立性調節障害とは
起立性調節障害についてわかりやすく説明すると
起立性調節障害とは思春期の年代の中高生に多く見られる体の症状で、思春期世代の中で約1割が該当します。
主な症状に「立ちくらみ」「頭痛」「疲れやすい」「長時間立っていられない」などがあります。
これらの症状が主に午前に悪化し、夕方には軽くなり夜には元気に過ごせているのが特徴です。
起立性調節障害の主な原因に思春期特有の自律神経の乱れがあります。
体も心もまだ成長段階にあり、体と心の成長に自律神経の成長がついていかなくなり、その結果、自律神経のバランスがくずれやすく体の症状へとなって現れます。
子供が起立性調節障害だと疑われても、決して珍しい病気ではなく、このまま放っておいて命にかかわることもありません。しかし、起立性調節障害は親の立場から見ればどこが悪いとは見た感じではわかりにくく、発症の初めには気づきにくいです。
ケガをした時のように包帯を巻いていればわかりやすいですが、自律神経の乱れの症状は周りから見ても病気やケガとはわかりにくく、病院で検査しても問題ないと診断される事が多くあります。
自律神経の乱れは人それぞれに特徴があり、正確には判断できにくいことも関係します。 しかし、病院で検査をしても異常がないからと放っておいてそこから状況が良くなるかは別問題で、子供の症状がはっきり出だすころにはかなり悪化していることも多く、起立性調節障害は長引けば治りにくくなります。
また、朝起きられず学校を休むことが多くなれば状況はかなり悪化しています。
起立性調節障害は本人の怠けでもやる気がないのではなく、体の自律神経の働きが乱れて朝起らきれないことが問題で、親が叱ったり頑張りなさいと言っても良くなりません。
自律神経の問題を本人も家族もよく理解し、現状を冷静に受け止めこれからの改善策を取り組んでいくことが改善への方法です。
【執筆者についてはこちら】
豊田学(柔道整復師 豊田接骨院院長 自律神経整体院)
起立性調節障害の初期症状
起立性調節障害の初期症状として以下があります。
- 朝起きるのが苦痛になるときがある
- 午前中頭痛・めまい・立ちくらみなど起こる
- 休日の次の日は朝からつらい
- 夜遅くまで起きていることが増えた
- 学校や家族の間で大きなストレスがある
- 遅刻や欠席が増えてきた
このようなことが増えてくれば起立性調節障害に当てはまる可能性があります。
ただ、起立性調節障害は症状が軽く本人に回復力がある場合、少し生活習慣に気を付ければ改善することも多く心配することもありません。
状況が酷くなったり頻度が増えてくれば起立性調節障害を疑い病院での検査や対策が必要です。
起立性調節障害の代表的な症状
日本小児心身医学会のガイドラインによれば下記の項目に3つ以上当てはまる、 または2つでも程度が強ければ診断を受けましょうとあります。
- 立ちくらみやめまいを起こしやすい
- 立っていると気持ち悪くなる、ひどくなると倒れる
- 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
- 少し動くと動機、息切れがする
- 朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い
- 顔色が悪い
- 食欲不振
- おなか周りの不快感
- 倦怠感、疲れやすい
- 乗り物に酔いやすい
- 頭痛
現れる症状は自律神経の乱れからくる症状とも一致することから思春期の心身症として自律神経の乱れが主な理由として考えられます。
どれも体調がすぐれない時には出やすい症状ですが、起立性調節障害の特徴は午前中に症状が強くなり、午後から夜には少なくほとんど無いことです。
また、長期の休みの後、症状が出やすいです。
夏休みや冬休みなど精神的にストレスがないと普段のように生活できていることもあります。
主な理由に心臓から上半身や脳への血流の変動が、起立性調節障害にかかる人は大きく、また回復する時間がかかることがあります。
起立性とは起き上がるときに脳への血流が少なくなって、脳内の血圧が下がり頭痛やふらつき、疲れやすさになって現れます。
この脳への血流を調整しているのが心臓や血管です。
これを調整しているのが自律神経といわれる脳から脊髄、全身へとつながる神経です。
自律神経は主に心臓や胃腸などの内臓、血管、呼吸器、汗腺、体温の調整など私たちが意識していなくても24時間働いています。また気持ちの問題が関係します。
不安や怒りなど感情とも関係し、心のストレスが体の症状となって現れます。
起立性調節障害は心身症の要因があり、体の自律神経の乱れと、心の問題として心身症とも関係しています。
起立時の脳への血圧低下で立ちくらみやめまい、心拍数低下で脈が上がる頻脈が現れます。
季節の変動や日によっても症状は変わったり強くなったりします。
晴れでは高気圧になれば自律神経は血圧を上げます。雨や曇りでは低気圧になり自律神経は血圧を下げます。
大人でも雨の時は頭痛がひどくなるように、天気にも関係します。
起立性調節障害の患者の中で頭痛の割合は6~7割とのデータもあります。
週に2~3回の頭痛がする割合は64%とあります。起立性調節障害との関係は午前に強く出ることが多ければ起立性調節障害による頭痛と考えられます。
・初期段階
起立性調節障害かもしれないと疑いだした初期のころでは、子供の体は心身ともエネルギーが大きく不足しています。
バッテリー切れに近づいている段階かもしれません。
この時期は起立性調節障害とは診断がつくまで分かりにくく、どこに行ったらいいか混乱する時期でもあります。
初めは、一時的な体調不良と思っていたけれど、一向に良くならず、かえって悪化してきていることに不安が大きくなります。
親は子供をみて、怠けている、もっと頑張りなさい、無理しても起きなさいと言います。子供は無理をして学校に行きますが、午前の授業は体調不良で苦痛になり、授業に遅れます。本人もさらに自分のこのような様子に混乱します。
これでは更に心身ともつかれ容態は進行します。
病院や専門医間で起立性調節障害とわかることで初期の混乱時期は少し治まります。
・低迷期
体調不良が続きます。登校も遅行が多くなり慌てて、親が送っていくことになります。
欠席も増えていくと体のリズムも乱れ1か月続くようでは不登校にもなります。
家で過ごす時間が増えます。
この時期は無理に考えず体を休めることです。
エネルギーが不足し、自律神経を動かすエネルギーさえも低下している段階です。 親は無理に朝起こしたり叱ったりせずに、まずは体の休息にと考えエネルギーを充電します。 この時期に気を付けたいのが家にいることで朝起きる時間が遅くならないようにすることです。できれば学校と同じ時間にしましょう。起立性調節障害になると朝起床時間が10時からやがて12時ときには夕方になっていきます。
・回復期
起立性調節障害は急にはよくなりません、特に不登校になっていれば年単位かもしれません。回復するためには体調や段階に合わせ無理をせずオーバーペースにならないことです。回復してもまだ健康な体に比べれば自律神経の乱れが出やすい段階です。しかし、成長段階の体は成長すれば自律神経も安定していきます。午後から登校する、週に数回登校するなど学校とも相談してみましょう。夕方元気であれば塾などにもうまく活用しましょう。
起立性調節障害の身体症状
めまい・立ちくらみ・頭痛・朝ごはんが食べられない・吐き気・腹痛・動悸・ふらつき・
疲れやすい・喉のつまり感・胸が締め付ける感・息苦しいなど
これらの体の症状は主に自律神経の乱れが関係して、その人個人により、同じストレス環境下でも症状が出る人もあれば、でない人もあります。
これは成人でも同じことです。子供の場合、自分の体を自分の意志でコントロールにまだ慣れていないこともあり、これらの中で数個が重なると学校での時間が苦痛になり、朝起きるのがつらくなることも考えられます。
朝起きられない様子も様々です。何度も起こしに行かないと起きて来ない、体を揺り動かしてもびくともせず、全く覚えていないもの。
無理をして時間をかけても自分で起きれるものの、午前中は辛くて仕方なく、授業どころではないことにもなります。
このような程度では、子供本人はかなりつらい思いをして学校に行っていることになります。
体質的に遺伝することも考えられます。親も朝は苦手だったが、無理をしても頑張ってこれた。このように親が考えると子供は怠けていると感じさらに悪化します。現代社会はストレスも多く子供でも夜型になり、スマホにゲームと自律神経が乱れるものです。大人でも朝は苦手な人も体質的にあるように、子供の年代は体も精神も未熟な段階ではより強く出ることもあります。
発祥の仕方も多くは、小学のころから朝が苦手、中学に入るとより強くなり、ある時から急に学校に行けなくなるパターンや、軽い人では学校での行事や勉強へ頑張りすぎた結果、季節の変化などで朝起きれに、頭痛や吐き気で学校を1週間程度休んでしまう人もあります。ここで、少し休んでよくなれば起立性調節障害まではいきませんが、遅刻や欠席が増えてくると症状は重くなっています。
起立性調節障害の精神症状
落ち込みが増えた・やる気が出ない・今まで楽しいことが楽しめない・無力感・不安感・
少しのことで落ち込む・すぐに怒りだす
このような精神状態が出てくると、気持ちの面でストレスはかなり大きくなっています。特に学校に行けていない状態ではより強くなります。
起立性調節障害になったからこのような精神状態になったのか、普段からこのような精神状態の傾向だから起立性調節障害になりやすいのか、どちらも考えられます。
起立性調節障害が長引いたり不登校があるとこのような精神状態になるのも無理はありません。特別な問題があるわけではありません。
子供のこのような状態が増えてくると、原因としてストレスへの反応としての結果が起こしていると考えられます。
また成長途中の未熟からくる問題や発達障害も考えられます。
特に思春期特有の自分のことを親にはうまく伝えられないことが多く、親がかまうと逆に反抗することになります。成長途中の段階で日常のストレスに対応が未熟です。
これも経験を重ねることで起立性調節障害になりやすい体質でもその人なりに日常生活を送れる段階になればうまく対応できているまでになります。
親もあまり心配しすぎないことです。
学校での先生との関係・友達・クラブ活動のなかで大きなストレスがあるとどのように対応していいかわからず、親にもうまく話せないと心のストレスから身体症状へとつながります。
精神症状が長引くと、心のストレスへの代償行動として行動への影響があります。
遅刻が増える・登校できない・引きこもり・自傷行為・スマホやゲームへの依存・拒食や過食・家族に当たる・物を壊すなど。
このような行動が続くようでは、精神状態もかなり悪化して、今まで何とかストレスに対応しようと頑張っていたのが解決できない結果、代償行動として出ています。
自分では解決できない問題があることもあり、学校に問題がないか、親子の関係など見直すことも必要です。
起立性調節障害の診断
日本小児心身医学会のガイドラインによれば
- 立ちくらみやめまいを起こしやすい
- 立っていると気持ち悪くなるひどくなると倒れる
- 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
- 少し動くと動機、息切れがする
- 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
- 顔色が悪い
- 食欲不振
- おなか周りの不快感
- 倦怠感、疲れやすい
- 乗り物に酔いやすい
- 頭痛
これらの項目に3つ以上当てはまり、
または2つでも程度が強ければ診断を受けましょうとあります。
心身症としての起立性調節障害テェックリスト
- 学校を休むと症状が軽くなる
- 身体症状が再発・悪化を繰り返す
- 気にかかっていることを言われたりすると症状が悪化する
- 一日のうちでも身体症状の程度が変化する
- 身体的訴えが2つ以上ある
- 日によって身体症状が次から次へと変わる
以上のうち4つが時々(週1~2回)以上みられる場合、心理的社会的関与ありとして心身症としての起立性調節障害があります。
心身症に関してはこれらの項目はあくまで一つの判断材料につきず、起立性調節障害については、思春期特有の体の問題で自律神経の関係が主です。
起立性調節障害が長引くと精神的な要素が大きくなり、精神的なサポートも必要になるための判断材料と考えるのが一般的です。
間違えて心療内科で子供のうつと診断されればうつの症状もあるが主な原因は体の問題であるのに処置の仕方も逆になりかえって悪化することにもなります。
起立性調節障害の検査法
起立性調節障害を疑うとき、初めに似たような症状でも違った原因がある場合があります。念のために病院や小児科で血液検査・心電図・脳のMRI・CT・甲状腺検査を進めます。
起立性調節障害を主に扱っている病院であれば起立性調節障害のガイドラインに沿って起き上がるときの血圧の変動を細かく検査する検査法があります。
起立性調節障害のタイプ別サブタイプ
起立性調節障害は現時点で主に4つの分類に分かれます(表)
1、起立直後性低血圧
起き上がった後に血圧低下が続くまたは、回復に時間がかかる。
起立直後からの回復時間が≧25秒または起立直後回復時間≧20秒かつ血圧低下≧60%以上。
軽傷型は起立直後に徐々に回復する。
重症型は起立後3~7分に収縮期血圧低下が15%以上または-25㎜Hg以上を記録。
起立性調節障害の中で最も一般的なタイプで要約すると急に起き上がった後に健康な人より脳や上半身への血液が十分いきわたらず血圧が低下しいている時間が長いまたは高回復に時間がかかるタイプで軽傷では早く解放しやすい。
2、体位性頻脈症候群
起き上がった後に血圧低下が続くまたは、回復に時間がかかる。
起立直後からの回復時間が≧25秒または起立直後回復時間≧20秒かつ血圧低下≧60%以上。
軽傷型は起立直後に徐々に回復する。
重症型は起立後3~7分に収縮期血圧低下が15%以上または-25㎜Hg以上を記録。
起立性調節障害の中で最も一般的なタイプで要約すると急に起き上がった後に健康な人より脳や上半身への血液が十分いきわたらず血圧が低下しいている時間が長いまたは高回復に時間がかかるタイプで軽傷では早く解放しやすい。
3、血管迷走神経性失神
起立中に突然に収縮期と拡張期の血圧低下ならびに起立失調症状が出現し意識低下や意識消失で倒れる。
4、遅延性起立性低血圧
起立直後の血圧心拍は正常に近いが起立後3~10分を経過して収縮期血圧が15%以上または20㎜Hg以上低下。
時間をおいてから血圧低下が続く。
起立時、健康な中高生では一過性の血圧低下をしますが、収縮期血圧-35㎜Hg、回復に17秒とすぐに回復します。
この程度では立ちくらみを自覚することはありません。
健康な人は自律神経の働きによって血圧は、起き上がる動きでも一定に保つ循環調整があります。急激な血圧低下があると、心拍数を上げて血圧を高くします。
通常の中高生では起立後16拍/分の心拍増加があります。体位性頻脈症候群では35拍/分の増加があります。正常の成人が3階まで階段を上がると100~120/分です。
・日常の状態への影響
いずれのタイプも軽傷では時に症状があるが日常生活、学校生活への影響は少ない中等度では午前中に症状が強くしばしば日常生活に支障があり、週に1~2回遅刻や欠席がみられる重症はほとんど毎日日常生活、学校生活に支障をきたします。
専門的な用語で分かりにくいこともありますが、ここに示したのは、診断するうえでの分類であり、タイプ別に分類されても、それぞれが部分的に重なっていたりすることもあり、体の様態によっては、悪化している段階では違った結果になります。
病院で違ったタイプといわれても4つのサブタイプは大きな違いはなく、その程度が軽いか重いかの違いです。
あくまで起立性調節障害は自律神経の乱れからくる脳への血流の不安定さですが、思春期特有の心身症の要素もあります。心や環境からくる問題もあれば、起立性調節障害に有効な血圧を上げる薬だけでは効果は期待できません。
起立性調節障害の原因
起立性調節障害の主な原因は、思春期特有の成長途中の体や心の成長と自律神経の成長のバランスが崩れることが主な原因です。
ここで簡単に自律神経について説明すると。私たちの体の体温や胃腸や心臓の臓器、血管・汗腺などに脳から脊髄を通り全身へとつながる神経です。これは24時間意識しなくても働いています。寝ている間も自律神経は働いています。
この自律神経には交感神経と副交感神経があります。
交感神経は朝起きると活動的になり、体を動かし、体温を上げ、やる気を出します。また、自分にとって危険なことに出くわすと交感神経は急激に働き危険に対して戦うか逃げるかの反応をします。ストレスに対して交感神経が働きます。
副交感神経は夜に体を休めるときに働き、うとうと眠くなるのは副交感神経神経が働きていいるからです。
この交感神経と副交感神経のバランスが崩れると不定愁訴といわれる、やる気がでない、頭痛やめまい、喉がキリキリするなどの自律神経失調症に似た症状が現れます。
起立性調節障害はこの自律神経が乱れ、特に交感神経の働きが悪くなっています。
原因には頑張りすぎや大きなストレスで自律神経が乱れ、疲れてエネルギー切れになっています。
自律神経は脳の視床下部から全身へ指令を出しています。この視床下部は精神的な不安や恐怖の心のストレスにも大きく影響されます。また成長ホルモンなどのホルモンバランスにも関係します。これらか関係することで、起立性調節障害の症状となって現れます。
自律神経の中でもとくに起き上がったときや姿勢をかえったときに脳や上半身への血流が下がることが主な原因です。
人は起き上がると上半身から下半身へ約500~700mlの血液が急激に下半身へ移動します。健康であれば問題なく血圧や脈を一手に保てますが起立性調節障害の人はこれが乱れます。
人は起立した後に急激に血圧は下がります。これに対して、自律神経系は交感神経が働きノルアドレナリンを出します。ノルアドレナリンは心臓や血管に働き血圧を一定に保ちます。起立性調節障害の子供は起立直後にノルアドレナリンの働きが悪いとの研究データもあります。これが起立直後性低血圧です。
また、起立すると血液が下半身にたまるので心臓への戻る静脈量も少なくなります。結果、心臓は自律神経の迷走神経の働きで心拍数を上げます。これが頻脈となり起立直後に現れます。これが体位性頻脈症候群です。
また、急激な血流低下や心拍増加で心臓の迷走神経や自律神経のネットワークがパニックになり自律神経活動をストップしてしまうこともあります。急な失神やけいれんが起こり倒れます。しかし、横になり数分安静にすると落ち着いてきます。これが血管迷走神経性失神です。
脳への血流が下がると脳内の酸素やブトウ糖・アミノ酸が不足します。結果、脳の働きが悪くなり自律神経の乱れになります。さらに、記憶・やる気・判断力などの思考力も下がります。これは脳の前頭葉の働きが悪くなることが原因です。本を読んでも理解できない、記憶できないなどにつながり学校での授業で苦痛になります。
大人の起立性調節障害
大人でも発症します。体質的な問題で、朝苦手なタイプは体質だからと思っていますが自律神経が午前には低下しやすいのです。子供の場合と発症の原因はほとんど同じです。
遅刻することが多い・午前中仕事に集中できない・午前中に頭痛やふらつきがある・普段から起き上がるとふらつきそうになるや、入浴後急に起き上がるとふらつくようでは起立時の血圧調整がうまくいっていないことも考えられます。
大人だからこのままではと考えず、ある程度は朝が得意なタイプと苦手なタイプもありますが、日常生活で苦心しているのであれば対策も必要です。
対策は思春期の起立性調節障害への日常生活の注意点と同じです
規則正しい生活、適度な休息、夜は早めに眠ることです。このタイプは夜に用事を詰め込んでしまうタイプも多くさらに朝が苦手となってきます。自分の生活パターンと照らし合わせて無理のない程度に朝でも体調が良い方向に取り組みましょう。
起立性調節障害はなぜ朝おきられないのか
思春期特有の睡眠周期の問題があります。睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠に分かれます。
朝目覚めるまでの間この2つが互いに交互に働きながら睡眠周期を作ります。みなさんも子供のころはよく寝むれた記憶があると思います。寝る子は育つです。思春期では一つの周期が長く朝になっても短くならない、浅くならないことがあります。大人では朝に近づくと眠りが浅くなり目が覚めやすいのですが、朝が近づいても浅くならず起きれない原因になります。
思春期では成長ホルモンが盛んに分泌されます。成長ホルモンは眠気を催す作用もあり、体の成長とともに思春期には欠かせません。
体内時計の乱れもあります。起立性調節障害の人にとって、睡眠は十分とれていることが多いのですが、睡眠周期がずれていきます。
人間の体内時計は25時間ともいわれます。自然に生活すると1時間ずれていきます。しかし、朝の準備をするうちに体内時計は戻ります。朝起きる時間が遅くなってくると、自然と夜眠る時間も遅くなってきます。朝起きてから16時間後に眠くなるのが自然です。朝10時に起きれば夜2時頃まで眠くないのが自然とできます。
起立試験をしても正常では朝寝坊をたまにする程度では、朝と午後では結果は変わりませんが、起立性調節障害の人は朝には悪い結果になり夕方にはよくなっています。
起立性調節障害が悪化して治りにくい理由
心身症として自律神経の乱れが体の症状となって現れ、長引くことで精神的なストレスも増えることになります。そのことで心理面の影響が体への症状となって現れ、朝起きたくないと無意識で思い出します。不登校まで行くとこのような悪いサイクルから本人も周りも困惑します。
日本心身医学会によれば「身体疾患のなかで、その発症や経過に心理社会的な要素が密接に関係し機能的な障害がみられる病態。ただし、神経症やうつ病などほかの精神疾患に伴うものではない」とあります。
特徴として、家庭や学校では親の言うことを聞く「いい子」といえます。親の期待や学校での生活に頑張ろうとするあまり、自分の意見や感情を我慢して無理に適応してしまいます。これを過剰適応といいます。
家庭でも学校でも・友達の中でもいい子であり続け周りの意見を聞き、我慢してしまいます。これでは自分の中に違和感が残り自分の感情をなくしてゆきます。
完璧を目指す・頑張りすぎる・周りに気を使いすぎることで心が披露してゆきます。
やがて自分の気持ちに向き合わなくなり失感情症になります。
何を言っても「別に」「さあ」となります。家庭の特徴として親がなんでも決めてしまう、親の意見に従うしかないなど自己主張できる場が少ないのです。
また、子供と親との関係もあります。母親とは自立する場が学校ですが、家庭や母親から離れるのが不安で学校より家で過ごすのが安心してしまうこともあります。
また父親との関係では最近は父親が「~しなければならない」「こうあるべきだ」と決めつけることも減ってきました。これは時代の流れですが、社会にはある程度の規律が必要です。守らなければならないことは、何があっても守るなどの規律が減ってきています。これでは少しの困難にすぐに「嫌だ」と逃げ出す傾向にあります。
子供の成長過程と思い、子供が自分で決めることも取り入れましょう。
思春期のこどもは「親に甘えたいが自立したい」「かまってほしいがほっといてほしい」
未熟な成長途中で無理に頑張ることで環境にうまく適応する方法がまだ少ないのです。
起立性調節障害はいつまで続きますか
適切な治療が行われた場合、軽傷では数か月以内で快方します。
日常生活に影響が大きく遅刻が多く学校を休む日が増えてくる中重症では、1年後に治る率は50%、2~2年後に70~80%。不登校が長いと1年後の復学は30%とのデータもあり短期での復学は困難です。ただ、症状は少しあっても天気や疲れの関係ととらえることのでき範囲の日常生活はできるまでに回復すればよいと考えます。
すでに数か月学校を休んでいる段階では計画的な対策で根気強く取り組むことが必要です。
起立性調節障害は何科に行けばよいか
小学・中学は小児科。高校は循環器科・小児科・脳神経科。
総合病院で心電図・血液監査・脳検査。
精神科ではうつ病と診断されることもあります。容態は似ています。
病院での検査では異常ないことが多く、結果自律神経の問題もあります・これまで説明している検査法は、専門的な起立性調節障害を扱っている病院でないと実施していないことが多く、その数も少ないために、1か月ぐらいは経過してわかるころには進行していることもあります。子供の様子に早く気づいて学校を休みがちにならないようにしてください。
起立性調節障害と似た病気は
鉄欠乏性貧血・・血液中の酸素が少なくなり疲れやすい、頭痛など
甲状腺機能低下症・・無気力・疲労感・むくみ・動きが遅い
うつ病・・意欲の低下・今まで楽しんでいたことがたのしめない・自殺企画など
うつ病は日内での気分の変動は少なく一日中症状が続きます。起立性調節障害は夕方から夜には気分がよくなります。
起立性調節障害の治し方
当院は整体術と心理面のカウンセリングや認知療法を取り入れています。
自律神経への整体術で自律神経の乱れに体が対応できるようになることもあります。
起立性調節障害の場合、頭痛や腹痛を伴うことが多く自律神経のの巡りをよくすること、頭痛の施術も取り入れます。
思春期は病院や整体など初めてのことも多いと思いますが、進学や就職してから悩まないよう頑張ってほしいものです。
本人の良くしたい気持ちも大切で落ち着いて一つ一つ取り組むことです。
起立性調節障害は様々な問題が関係し、体質の問題もあります。
数回では効果は見込めず数か月の経過が必要です。
発達途中の体と精神の問題であるため、薬で血圧を上げるだけでは効果は限定的の見解が主です。
特に不登校を伴うようでは数年単位での周りにサポートも必要で、成長すれば普通に生活できるまでにはなることもあります。
起立性調節障害の子供に親ができること
中高生はまだ思考や判断・言語力も未熟で自分の体の不調もうまく話せないこともあります。
特に親への反抗心が強いとなおさらです。
研究データによれば、立ちくらみでは子供は43%自覚しているのに、保護者は18%しか気づいていません。
更に学校での問題があれば子供が話しにくく、更に気づくのに遅れます。子供の変化に早く気づくことです。
起立性調節障害も中重程度の症状になると不登校が出てきます。
50~60%で不登校を伴います。悪循環から家庭でも反抗的や無気力になります。ここで親も怒ったり、心配しすぎるとかえって逆効果です。親の心配は子供にも伝わりさらにストレスになります。
子供は子供なりに心配し考えています。自分を抑えがちで、些細なことでも大きく怒ったり落ち込んだりします。環境への対応がまだ未熟です。親は、焦らず・あきらめず・愛情をもって接してください。
人の心理に愛情をもって期待されると自分で頑張る勇気が出ます。
起立性調節障害は体への自律神経の治療だけでは回復しないことが多く、心身面の影響が自律神経を通じて体へ影響します。
まとめると、起立性調節障害は自律神経の不調のよる脳や上半身への血流の不足によることが原因で、朝起きられないのは子供が怠けているわけではなく、体の病気の一つです。
珍しい病気ではなく自律神経の成長が体の成長へ追いつてゆけば支障のないレベルまで回復します。起立性調節障害かもと思えば早めに診断を受けることが早く良くするには大切です。
院長コラム
起立性調節障害については、こちらの院長コラムも参考にしてください。
当院のコースと料金
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交通事故負担金なし
-
整体コース
初診料
1,500円施術料
6,600円
豊田接骨院
ご案内
お問い合わせ・ご予約
アクセス
〒675-2242
兵庫県加西市尾崎町441-1
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自律神経症状・
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専門認定院です