自律神経と脳神経とは
脳神経は視力や目の動き、におい、聴力、バランス感覚、唾液、内臓の働きなど多様な働きを1番から12番の脳神経に分かれて働いています。
中でも迷走神経は自律神経の働きと大きく関係し、自律神経の8割は迷走神経の働きといわれます。自律神経が乱れると、脳神経にも乱れが出て、様々な症状がで、それが更に自律神経の乱れとなり原因のわからないものととらえられることにもなりかねません。
ここでは、脳梗塞や生まれながらの脳の障害は専門の病院で診断していたただきたいと思いますが、それ以外の一時的にストレスや疲れから機能が低下することで症状となっている場合について説明します。
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豊田学(柔道整復師 豊田接骨院院長 自律神経整体院)
第1 嗅神経
最も原始的な脳神経で臭いは鼻の鼻腔内の粘膜に臭いの物質が溶け込み、それを嗅細胞から嗅神経とつながり、大脳へと伝わり臭いとわかります。臭いは記憶や感情とも深く関係します。臭いが分からないのは、嗅神経や神経からの脳の反応が麻痺していることも考えられます。臭いを感じ取るには、鼻の粘膜が大切です。鼻粘膜に粘膜性の液が十分に足りてないと鼻粘膜が臭いを取り入れなく、嗅神経は活性が上がりにくくなります。
嗅神経と自律神経の症状
慢性的な口呼吸や、呼吸がしにくくストレスが大きいと呼吸がしにくいと感じる。副鼻腔炎から風邪をひきやすいなど。
第2 視神経
物を目から見る神経で、目で物をとらえるには、網膜から視神経、視床の外側膝状体から脳の後頭部の一次視覚野へ信号が送られ、見たものが分かります。視覚情報は網膜から交差して伝わるものと交差しないものに分類されます。両目でも右からの光刺激は、左側に伝わり視神経のなかで交差し、左の脳の視覚野に伝わり認識します。
交差せず、右の網膜から右の脳へと伝わるものもあります。網膜から視神経の途中で一部障害があると、視野欠損といわれ、右半分が見えないなどなります。脳梗塞や神経の障害のこともあります。眼球や視神経の障害は失明です。
視神経と自律神経の症状
目の網膜の血行に影響があり、糖尿病制でなければ、視野の上下左右の制限があります。片方の目で補って見ていることになり、視神経への負担が増えます。ストレスが大きいと自分のイメージの中で景色が白黒に移るなどは記憶や認知との関係もあります。
第3 動眼神経
眼球を上下と内側に動かします。瞳孔の収縮と散大。まぶたを上げる(眼瞼を上げる。)
動眼神経には眼球を動かす運動作用と、自律神経の働きでもある瞳孔の調整もします。
瞳孔は太陽の光がまぶしければ瞳孔は閉じる働きになり、興奮したりすると自律神経の交感神経が働き瞳孔は開きます。動眼神経から視床下部、首や脊髄の自律神経、毛様体神経などを通じて、瞳孔を調整する神経や筋肉に作用し調整します。
動眼神経と自律神経の症状
瞳孔の調整ができないことで、外の光がまぶしい、疲れやすい。眼瞼下垂、上まぶたが開きにくい。複視、二重に見える。
まっすぐ見ると障害側はやや外に眼球がよる
目の動きは脳の障害や神経の障害もあるので、眼科や脳神経科での検査も必要です。
第4 滑車神経
眼球を下内側に動かす。右目の場合右の鼻の方に動きにくい。
滑車神経と自律神経の症状
片方の目で内側下方を見続けられない。まっすぐ見ると麻痺側は内上方へ傾く。代償性として、顔は健側に向き下を向くことになります。
第5 三叉神経
三叉神経は最大の脳神経で顔面部の感覚を司ります。三つに分かれ1番の眼神経は顔面の目の周りや眼球の感覚、2番目の上顎神経は顔面中部で鼻回り上歯周りの感覚、3番目の下顎神経は顔面下部下歯周りの感覚を担当します。
感覚とは意識して触れているのが分かる感覚で触圧覚や位置覚です。ひりひりする、かゆい、触っても鈍い感覚など様々な表現になります。さらに熱い寒い温度や痛みの温痛覚も三叉神経が識別します。運動神経は三叉神経の3番目の下顎神経であごの動きや咀嚼を動かします。
一部の働きは自律神経の副交感神経ともつながりがあり、唾液や鼓膜、耳管の働きにも関係します。
三叉神経と自律神経の症状
顔面部の感覚の異常。顔面神経麻痺とは違います。この場合チクチクするなどや痛みなどの感覚のことです。喉から耳の内耳へつながる耳管にも関係し、耳管狭窄症のキンキンする、鼓膜が張り詰める感じの音がキンキンするなどあります。耳のつまりや聴覚過敏。
三叉神経は自律神経とも関係が多く周りの脳神経の影響があり、症状は多岐にわたることもあります
運動面では顎の開閉に違和感があるなど、咀嚼や顎の動きに問題が出ます。
第6 外転神経
眼球を外側に動かす。横目で見る。右を見るのは右の眼で横を見る動き。
外転神経と自律神経の症状
眼球を外側に向けない。右を見るときでは右目で外側を見れない。
正面を見続けるとやや内側に変位
眼球のすべての神経が麻痺すると正面に固定、瞳孔は広がり収縮しない。眼球の動きは自律神経の乱れや、めまいが起こっているときには乱れます。脳の障害や脳神経の障害でも起こりますので検査が必要です。
病院での検査が異常なければ、目を動かす神経の働きが乱れています。
第7 顔面神経
運動機能は顔面部の筋肉の動き。目の周りや表情筋に働き顔の動きを作ります。感覚神経は涙腺・舌下腺・鼻粘膜の分泌を促進します。涙や唾液、鼻の粘膜の分泌です。
味覚神経は舌の前3分の2の部分の味覚を司ります。涙の分泌や唾液の分泌は顔面神経と三叉神経・副交感神経とも関係します。舌で口腔をなめる、飴をなめると自然に唾液が出て味か感じされるのは、正常に機能しているからです。
顔面神経と自律神経の症状
ひたいのしわが片方無い、片方の頬がたれえる、まぶたが開かないなど表情筋の麻痺があります。食事で唾液が出にくい、味覚低下、涙の分泌低下、聴覚の過敏があります。
第8 内耳神経
内耳神経には平衡感覚やめまいに関係する前庭神経と、聴力に関係する蝸牛神経があります。音が聞こえる仕組みは音の信号が耳の小さな骨のツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨を揺らし音のエネルギーは30倍にします。そのエネルギーでアブミ骨が蝸牛の中のリンパを揺らし電気信号に変えます。
そして、内耳神経から脳の聴覚野に伝わり音と認識されます。
めまいやふらつきは前庭神経や半規管の耳石の剥がれ・リンパの流れの乱れの結果です。
内耳神経と自律神経の症状
めまいやふわふわするなどの前庭神経の症状は自律神経失調症にもあります。自律神経の働きも乱れていることもあります。内耳神経は耳だけでなく、脊髄神経ともつながり体の平衡感覚を整えます。
難聴・耳鳴りの原因は、音が聞こえるまでには鼓膜から中耳の骨、この骨を動かす筋肉、音を伝える蝸牛神経、脳の聴覚野まで関係します。自律神経が乱れると、鼓膜や音を脳に伝える作用も乱れがちになります。
第9 舌咽神経
舌と喉・咽頭の感覚を司ります。舌と喉のひりひりする感覚低下など。唾液を出す。舌の後ろ3分の1の味覚。のどから耳管の感覚・温痛覚。飲み込む際、のどの筋肉を動かす。自律神経とも関係が深く、のどの筋肉の動きの指令、頸動脈の酸素と血圧の調整へ指令を出します。
また、舌の後ろ3分の1の味覚の低下、のどから耳管の感覚の乱れで自律神経症状も出やすくなります。のどが詰まる感じ、声が出にくいなど。舌咽神経は迷走神経とも関りが多く、連動して働いていることが多くあり症状も併発します。
舌咽神経と自律神経の症状
唾液が出にくい。血圧の維持が不安定。呼吸がしにくい、普段から疲れやすい。舌の後ろの味覚低下。喉から耳管・鼓膜の感覚の異常、熱感。発作的に自律神経の乱れから嚥下・咀嚼・せき・会話で誘発されることもあります。
第10 迷走神経
副交感神経の80%を占めます。働きは多岐にわたり迷走神経は細かくは3つの迷走神経に分類されます。ここでは一般的な脳神経の迷走神経について述べます。
喉頭・咽頭・食道・胃・十二指腸・大腸の内臓感覚。これは意識して感じることのできない自律性です。満腹感・空腹感・吐き気・腹痛を感じ取ります。
ここでの実際に感じ取れるのは大まかな場所と感覚しか人の脳は感じ取れないといわれます。舌の付け根の喉頭からの味覚。舌・咽頭・口蓋の筋肉の動き、分泌物の促進。自律神経の乱れで、喉がキリキリする、締め付けるなど。嚥下の中心的な役割をします。
食道・心筋・胃・十二指腸・大腸の筋肉の動き、分泌物の促進。自分では意識できない動きで、内臓を動かす、分泌する働きです。胃が重たい、キリキリするなど。咽頭・喉頭の温痛覚。声帯を動かす筋肉。声が出るのは喉の奥の声帯が動きているからです。
迷走神経と自律神経の症状
舌咽神経と共に重複するところが多くあります。血圧の維持や血液中の酸素濃度の維持。頻脈や徐脈のある人は迷走神経系統の乱れも考えられます。
食事でのどに詰まるなど起こりやすくなります。食べたものは舌・喉頭・口蓋に食べ物が当たることで迷走神経が働き食道や胃の動き・分泌物の促進が起こります。自然に口が動くのは反射となって反復します。
気管支の収縮と拡張が気温や時間の変化で乱れます。朝方咳き込んだり、気温の変化で起こるのは迷走神経の乱れです。鼻声にもなります。
腹痛や吐き気は迷走神経が乱れ、自律神経の限界に達すると自分の体を守るために迷走神経が体にブレーキを掛け守ろうとします。この時パニックになったりします。声帯を動かす筋肉が麻痺すると声が出にくい嗄声となります。
第11 副神経
脳神経の中で延髄の近くにあり脳神経の下方になります。背中の僧帽筋や、首の胸鎖乳突筋を支配します。
副神経と自律神経の症状
首が傾く、上半身が傾く、肩の高さが違うなど。肩こりも慢性的に続けば自律神経の影響もあります。
第12 舌下神経
舌の筋肉を支配。舌を前に出すのは左右の舌下神経が働きているからです。舌をしぼめたり丸めたり。
舌下神経と自律神経の症状
舌下神経は脳神経の下部にあり延髄に近いところにあります。ラ行が発しにくい。会話や嚥下の困難。舌をまっすぐ突き出せない、曲がる。
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