院長コラム

社交不安障害という症状名に聞き覚えがないという方でも、

あがり症や緊張症という症状名を聞いたことがあるという方は

多いのではないでしょうか。

 

社交不安障害とは

 

社交不安障害とは、人前で行動することや、他者から評価されることに対して、

強い恐怖や不安を感じる精神障害です。

生まれながらの性格だからと、本人もあきらめている方も

あるかもしれませんが、社会生活のうえで、制約が出て

今の自分やこれからのことで、不自由なことが増えてゆくなら、

少しでも社会不安の程度が軽くなれば思い悩むことも減ってきます

今回は、社交不安障害の特徴や症状について、詳しく解説します。

 

社交不安障害の症状は

 

社交不安障害の症状は、社会活動の場面において、

身体面や心理面、行動面などに現れます。

例えば、人前で話すスピーチやプレゼンテーションの場で、

心拍数が増加したり、発汗や震え、息苦しさや赤面といった

身体的症状が現れることや、面接や会議の場に出ることを

避けようとして、仕事を休んだり、約束をキャンセルしたりする

行動を起こすことなどが挙げられます。

このようなことは、誰にでもあることで、慣れてゆくなかで、

自分なりの対策方法や気にならなくなったりするするものですが、

症状の程度によっては、日常生活に支障をきたすことがあります。

周りからすると別に気にならない程度の緊張が、

本人の中ではこれ以上は耐えれない、人前でこのような姿は

恥ずかしいとなり不安が増してゆきます。

 

なお、発症の原因は複合的であるといわれており、

遺伝的要因、環境要因、生物学的要因の３つが

影響していると考えられています。

 

この遺伝的要因とは、家族内に同様の不安障害を持つ人がいる場合、

発症要因が高まるというものです。

環境要因は、幼少期におけるトラウマや過度な批判的養育態度が

影響するとされるものです。

生物学的要因とは、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れることにより、

不安を感じやすくなるというものです。

 

社交不安障害の克服法は

 

社会不安障害を克服するためには、周囲のサポートはもちろん、

専門医による治療が不可欠です。

治療には、心理療法と薬物療法のいずれか、もしくは両方を組み合わせた

方法が用いられます。

 

心理療法の一つとして認知行動療法（CBT）が用いられ、ここでは、

不安が起こる思考パターンを変え、恐怖を克服するための行動を学びます。

あるいは曝露療法ともいわれる方法が用いられます。

曝露療法とは、不安を引き起こす状況に自分自身を慣らす方法で、

人によっては荒療治となってしまう可能性があるものです。

 

一方、薬物療法として用いられるのが、抗うつ剤や抗不安薬です。

服用方法を誤らないよう、薬の管理の徹底が求められます。

当院では、認知療法や心理面へのケアーを主に取り入れて、

心の問題への取り組んでいます。